くが耳鼻咽喉科(愛媛県松山市北条)

処置室「治療玉手箱 私の創意と工夫」

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耳管開放症の症例

(2006年2月16日掲載)

66才 女性

インフルエンザの後で中耳炎になりました。

鼓膜切開、内服薬などの治療でやっと2週間で治りました。

やれやれと思っていると、「耳が響きます」と言われました。

自分の呼吸音も聞こえるそうです。

耳管通気をすると、風が通り過ぎます。

これは耳管開放症です。

耳管機能検査をしてみると、確かに耳管開放症となっていました。

中耳炎の後でなりやすいのです。

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)で耳管を潤わせることにしました。

一週間してもまだ治りにくいため、白虎加人参湯を水に溶かして耳管に通気管で吹きつけました。

徐々に症状は改善し、一週間後には自覚症状でも検査上でも治りました

風邪をひくと、のどが痛くなり咳がでます。しばらくするとのどが乾き、乾燥性の咳になっていきます。

これと同じことが耳管にもおきるのです。

耳管粘膜がダメージを受けて繊毛細胞が減り、分泌物も出にくくなります

白虎加人参湯潤わせると治ります。

上:治療前(耳管が閉じにくくなっている)

下:治療後

 

上:治療前(耳管が閉じにくくなっている)  下:治療後

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