週刊 談話室  
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2009年11月26日号

「今週の談話」

インフルエンザがこの地にも流行するようになりました。

中高校生以下の年代に多くみられますが、家族内感染をおこして大人にも広がっています。

厚労省の発表によると、今年のインフルエンザで50名の死亡例があり、その内大半発症当日か翌日抗ウイルス剤(タミフル、リレンザ)を服用していたそうです。

先日は、30代の看護師新型インフルエンザで死亡したと報じられていました。この方はインフルエンザワクチン新型季節型も受けており、発熱した日にタミフルも処方されていました。

これは、どう解釈すればいいのでしょうか。専門家の公式見解がないだけに憶測することしかできません。

私の考えでは、インフルエンザに対して、ワクチンとタミフルへの過信があるのではないか、という気がします。

インフルエンザワクチン血液中に抗体を作ることでウイルスに対して感染を予防します。しかし、インフルエンザの初期感染は鼻腔粘膜から上咽頭でおきますが、ここには抗体は生じにくく、従って感染入り口での予防効果は限られる、という説があります。

一度感染が生じると、炎症が咽頭、呼吸器に波及し、発熱、咽頭痛、咳などがでてきます。

抗ウイルス薬(タミフル、リレンザ)はインフルエンザウイルスの増殖を抑える働きがありますが、この炎症を鎮める働きはありません極初期にウイルスが入り込んだときには効果がありますが、ウイルス増えてしまったあとでは、既に身体の中には炎症が進行しているので治療効果は薄くなります。

インフルエンザの検査試薬がありますが、この試薬はウイルスが10万個以上ほど大量にないと反応しないそうです。今の試薬はまだ感受性が弱いのです。

つまり、インフルエンザウイルスが爆発的に増えたときに検査試薬は陽性となりますが、このときにはすでに喉や気管の粘膜上で炎症が進んでいるので、抗インフルエンザ薬の効果は余り高くないようです。

発熱があれば解熱鎮痛薬を使うことが多くなりますが、ここにも問題点があります。

インフルエンザウイルスが入り込むと、これを排除しようと抗炎症物質がたくさん出てきます。この結果発熱を生じます。また熱が出ればそれだけ抗炎症物質が増え、免疫能が高まりますが、解熱薬で無理に体温を下げると、炎症が下がってきたと身体が勘違いして抗炎症物質を減していくために逆に炎症が進むこととなります。

何を言いたいかというと、

(1)抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)は検査試薬で陽性に出ないほどの感染初期(かぜかな?おかしいな?と思ったとき)に使えば効果が高いが、陽性に出たとき(高熱になっているときなど)には効果が高くない

(2)解熱薬を使えばかえって治りにくい傾向がみられる。

(タミフルと解熱薬のみの治療は好ましくない、場合によっては悪化する)

(3)インフルエンザワクチンは万能ではない

(4)インフルエンザの治療で一番大切なのは、炎症を抑える治療をすること。

私は、この考えに基づいて治療を行っています。

インフルエンザの疑いがあったり、インフルエンザと確認されると、主として麻黄湯(まおうとう)を使います。これは発汗を促し、それにより熱を下げる効果があります。麻黄湯は炎症を抑え、免疫を高める効果もあります。汗が出やすい人には桂枝湯(けいしとう)を使います。その中間の証であれば桂麻各半湯(けいまかくはんとう)が適しています。

汗がでれば主に柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)に変えて、更に炎症を取ります。

咽頭、気管内の炎症を抑えるために抗炎症作用のあるマクラロイド系抗生物質(クラリス、ルリッド、エリスロシン)なども併用します。

この治療でほとんどの人が24時間以内に熱が下がります。

「今週のフォト句」

最近、盛んにジョウビタキが姿を見せています。

近くで巣を作っているのでは、と探してみましたが巣を見つけることはできません。

ジョウビタキはカラフルな羽根と、愛くるしい表情で愛されています。

ひだまりの軽さに跳ねる秋の鳥

ジョウビタキ


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