週刊 談話室  
■戻る
 

2010年4月27日号

「今週の談話」

中年の女性が「耳の詰まった感じが治らない」と言って、まだ寒さの続いている頃に来られました。

女性「何軒か耳鼻科に行ったのですが、今も治っていません」

私 「病気は何と言われていましたか?」

女性「突発性難聴かメニエル病の初期と言われました。薬をもらって飲んだのですが治っていません。この苦痛は何とかなりませんか?」

私 「とりあえず、検査させてください」

と言って、聴力検査と耳管機能検査を行いました。聴力は左高音部が30dB程低下しています。耳管機能は両側とも悪く、耳管機能不全になっています。

私 「ウーン、これは耳管が悪いのかも知れませんね。前の耳鼻科の先生が言われたように突発性難聴も考えられますが、耳管の機能も悪いですよ。今まで、耳管に空気を送る治療はしてもらいませんでしたか?」

女性「いえ、一度も」

そこで、耳管に空気を通してみました。やはり簡単には通りません。通ったのは3割程度でしょうか。何回か繰り返し、やっと8割ほど通りました。

私 「どうですか?少し良くなっていませんか」

女性「ワー、すっきりしました。良くなりました。ここが悪かったのですね」

私 「風邪はひいていなかったですか?高いところに行ったことはありませんか?何か変わったことはありませんでしたか?」

女性「そうですね、最近変わったことといえば、このところ子供のことで4回も飛行機に乗ったことがあります」

私 「それそれ、それが原因ですよ。航空性中耳炎という病気がありますが、それの軽い症状のようですね」

女性「そうですか、原因が分かったので良かったです」

耳管機能は鼻かぜ、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などに伴い悪化することがあります。気圧の関係では、気圧の高低差が原因となることも良くみられます。その治療として耳管通気療法は先ず行われます。しかし耳管通気治療は、最近の耳鼻科医は積極的には行わない傾向にあります。

耳管狭窄症はよく見られる病気です。古典的な治療も捨てたものではありません。

「今週の俳句」

もう花は枯れ、葉っぱが出ていますが、春先の辛夷(こぶし)の花は真っ白で青空に映えます。

辛夷越しに青空を見上げていると、この青空は宇宙飛行士が見る青い地球と同じものだと気づきました。

見上げる空は青空、その上から見下ろせば青の地球

そう感慨に耽りながら、宇宙から見た飛行士の印象(晴々と青の地球)と見上げる私の印象(青の地球の辛夷晴れ)を合わせた俳句をつくりました。

晴々と青の地球の辛夷晴れ



■戻る