2010年4月6日号
「今週の談話」
桜が満開になっています。
日本の春は桜です。
桜が咲いたのを見て初めて、こんなにも桜が植えられていたのか、と感心します。
新種の陽光なる桜もありますが、こちらはピンク色が強すぎて可愛らしさに欠けるため、人気は余りありません。
やはりソメイヨシノが色も形も綺麗です。
江戸時代から延々と植え継がれて、この世にはソメイヨシノがあふれています。
およそ寿命は100年といわれているのに、200年も300年も生きている長寿桜もみられます。杖を突いているのが痛々しく、気の毒になります。
桜のシーズンになると花見に誘われます。
しかし、花見は寒いです。
桜の根の上にブルーシートを広げるのは、なんとも桜の木が窒息しそうでかわいそうです。とてもその上に座る気にはなれません。
かくして、私は花見の宴会には参加しないことにしています。
桜に浮かれているこの頃に、私が密かに愛でている花があります。
モミジです。
モミジに花が咲くのです。
圧倒的にマイナーな観察眼を持ってないと気づきません。
モミジが葉を出す前に、小さなピンクの花を咲かせます。
素朴です。地味です。
この花に誰も気づいていないのが、私としてはうれしいのです。
私だけの花として隠しておきたい、でも知らせたい、そんな感じです。
モミジの木の下に立ち、見上げて葉の裏側を見ると、可愛い花も目に入ってきます。
モミジは花、青葉、紅葉、裸木と一年中楽しむことができます。
世の中では、モミジは秋にしか注目されませんが、実は春から楽しむことができるのです。
万愚節葉の裏ばかり見つめをり
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