2015年9月10日号
「今週の談話」
東京オリンピックのエンブレムが大騒ぎになりました。
佐野研二郎さんのエンブレムが、ベルギーの劇場「Theatre de Liege」のロゴに酷似していると、劇場ロゴをデザインした「Studio Debie」が指摘し、盗作疑惑が浮上したのです。
ことの真偽は私には分かりませんが、全く同じものでない限り、イメージが同じものは許さないといけないのではないかと私は思います。
過去の作品を参考にしないとデザインを考案するのは不可能と思うからです。
どのような作品でもどこかの作品からヒント得ているはずです。そして、どこか似てしまいます。
たとえば言葉は100%コピーです。生まれたときはゼロだった言葉を一から覚え、学ぶことによって多くの言葉(単語、文章)を覚え、脳の海馬でストックして必要に応じて引き出し、組み合わせて使っているのです。
言葉は創作しているように見えて、本当はコピーしたものを組み合わせて使っているだけです。
俳句は同じようなもの(類似句、類想句)のオンパレードです。
17音からできている俳句は、季語(おもに5音)を除くと12音を組み合わせて作られています。似た俳句ができることは避けられません。しかし俳句は似たものを許す文芸です。似たものであっても、同じものでない限り、笑ってすまされます(当然、類似句は評価が下がります)。それだけ懐が深いのです。
技術の特許でも、過去の設計図を使い応用することは許されています。新たなアイデアが生きていればいいのです。
デザインも全く同じでしょう。すべてどれかの図形を組み合しているだけです。全くどこにも類似しないものを作ることは不可能ではないでしょうか。
佐野研二郎さんのある作品(東山動物園のシンボルマーク)がコスタリカの国立博物館のロゴと似ているという指摘もありました(当然、参考にしていると思います)。さらに次々にネット検索から問題点(パクリ、コピー)があぶりだされています。今や佐野研二郎さんは業界から追われる雰囲気になっています。
ここで64年東京オリンピックのロゴマークを見てみましょう。
誰も指摘していませんが、これは日本の国旗の完全なコピー、パクリではありませんか。実にスケールの大きい盗作です。
なぜ誰も問題にしないのでしょうか?(国旗だから登録商標には問題ないとか、日の丸は誰も勝手に使っていいだろうと言うのはおかしくありませんか?東京オリンピックなのに日の丸というのも違和感を感じませんか?東京で開催する日本のオリンピックと言いたいのでしょうか?何か変ですね)
論点が異なりますが、iPS細胞とは何でしょうか?全く人体の組織細胞のコピーではありませんか。こちらは完全なコピーを目指しています。(もちろん、細胞のコピーを作るために創造力を働かしているすばらしい発見発明なのですが)
一方はコピーを目指し、一方はコピーを嫌っている。
考えてみれば、相反する不思議な社会現象です。
全く創造的なデザインを作ることは恐らく不可能でしょう。
過去に誰かが作った作品とどこかは必ず似ているはずです。それほど、我々の脳は創造力に満ちてはいませんし、デザインがこの世に溢れすぎていて全く新たに創造するのはかなり難しいと思います。
新しいエンブレムが作られると、また血眼になってコピー元探しが行われ、次々に過去の作品に遡って問題点が指摘されるでしょう。
永遠に同じことが続き、気が付いたらオリンピックが終わっているかも知れません。
「北条ユネスコ〜小石の芸術展」
第19回目になる「小石展」の準備が整い展覧会が開かれます。
731点の立体的な個性あふれる作品が展示されています。
松山市を中心にした愛媛県下の小中学生が主に出品していますが、その他に4才から94才まで広い年齢の方がそれぞれの年齢に合った作品を出品しています。
立体画ならではの作品を見て楽しんでください。
他では類を見ない1ヵ月の長期に及ぶ展覧会です。

会場 北条ふるさと館(松山市河野別府995 TEL:089-993-3266)
1階 ホール 2階 展示場
期間 9月12日(土)〜10月12日(月)
(休館日は月曜日で、月曜日が祭日のときは火曜日が休館です)

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