くが耳鼻咽喉科(愛媛県松山市北条)

週刊 談話室

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2024年6月27日号

「今週の談話」

本格的な梅雨となり、毎日が鬱陶しい灰色の雲小雨に纏われています。

低気圧が来ると気分が落ち込む人はたくさん見られます。

我々の身体は高気圧に適合するようにできているらしく、気圧が下がると心もうつ状態になりがちです。

漢方薬の五苓散(ごれいさん)を飲めば体調の変化にある程度対応できます。体内の水分調整に優れた薬なので、体内の微妙な水分の変化を調節してくれます。低気圧が通過するときは気分が悪くなりがちで、お天気病と言われますが、その時の頭痛嘔気鬱気分などの症状を改善してくれます。

咳が長引いて止まりにくいと言って来られる方をよく見かけます。内科「咳喘息」と言われて喘息の治療薬を使用されているケースもあります。おそらくこの奇妙な病名は喘息の治療薬のステロイド吸入液を吸わせるために作った病名のような気がします。

喘息ならこの吸入液が良く効きます。この吸入液のお陰でこの世から喘息発作の方が激減したと言われています。

しかし、この吸入液を吸ったからと言って長引く咳が止まることはあまり期待できません。そうは言ってもこれ以外に長引く咳を治す方法を見いだせないことが多く、自然に治るのを期待して、長い間この治療を続けていることが多いようです。治らないけど漫然と治療しているというこれもおかしなことが起きています。

最近ではふらふらするめまいにPPPIという病名をつけて、抗うつ薬を投与する方法が導入されていますが、私の経験ではこの薬でめまいのふらふら感取れた人はいません。むしろその薬の副作用でかえってめまいがひどくなったと言う方が増えている印象です。

私は咳喘息とかPPPIという病名で行う治療に意義を感じていません。

咳喘息と言わず長引く咳で良くはありませんか。PPPIと言わずふらふら感ではいけませんか。これらの病名が招く副作用の方が心配になります。

こう言うことを書くといわゆるバッシングを受けることがありますが、私の医院では咳喘息、PPPIという病名は使わないようにしています。本当にそれが効くと分かれば使いますが、今は使いません。

70代の男性咳が止まらないので、ある大病院に行き「咳喘息」と言われて治療しているけどいつまでも治らないので、何とかなりませんかと言って来られました。

何と2年近くずっとその病名で治療をうけているそうです。しかし全く咳は止まっていないそうです。薬手帳には去痰剤2種類、抗アレルギー剤2種類、吸入ステロイド剤2種類が使われていました。

私は咽喉を観察して、慢性炎症が続いていると考え、上咽頭~咽頭処置を行い、一日3回飲む漢方薬と咳の発作時に飲む漢方薬2種類だけ出しました。

その一週間後にもう一度来てもらいました。

一週間後、椅子に座るなり、顔を赤くして「咳は止まりました。一日薬飲んだだけで一度も咳はしていません。この2年間は何だったんでしょうか」と語気を強めていました。

私は咳に対してはたいていがこのようにして治しています。長引く咳は咳喘息ではなく、上咽頭から喉頭にかけての炎症であり、先ずここを治療した後に咳に効く漢方薬を出すだけでほとんどが1週間以内に治ります。

めまいのPPPIという病名もこれとよく似ています。抗うつ薬で治そうとしているのは、ふらふらするめまいのひとはうつ病であるという考えが遠くにありそうです。

わたしはPPPIとは言はず「内耳とか脳の平衡を保つ部位が弱くなっています」と言って漢方薬ツボ治療で対応しています。

梅雨空に紫陽花は似合います。今回は2種の紫陽花です。

2種の紫陽花

雨漏りは青葉伝いの換気口

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