くが耳鼻咽喉科(愛媛県松山市北条)

週刊 談話室

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2026年5月28日号

「今週の談話」

外人さんが入って来られました。日本人の妻が付き添っていました。

問診票には「聞こえが悪い」と記載がありました。

耳を診て、耳垢を取ったあと聴力検査する予定で耳を診ると、耳垢が充満しています。

しかも、柔らかい耳垢です。明らかに聴力低下の原因です。

耳垢水を入れてから耳垢を更に柔らかくしてから取ることにしました。

十数分してから耳垢除去を始めました。

吸引管で吸い取っているのですが、さすがにきれいには取れません。

「どこから来られたのですか」「夫はチューリップと風車の国、オランダ人です」

「旅行ですか」「ええ、耳が聞こえなくなったというので、看板を見て来ました」

「お国では耳垢はどこで取ってもらうのですか」「耳垢専門店があるのです」

と会話をしながら、少しずつピンセットと吸引で除去を続け、やっと全部取り終えました。

「さて、反対側を取りますね。ぽこんと取れるといいのですが」と会話が弾みます。

充満した耳垢を吸引していくと、耳垢の塊がぐらぐらしてきました。

「こちらはぽこんといきそうです。ぽこんといけばラッキーです」

「私の耳垢は柔らかいのですか」と尋ねられたので「民族で耳垢は異なります。 こちらの方の耳垢は柔らかめです」と言ってる間に、耳垢が浮き上がってきました。

「ほらいきますよ。ほらポンです」「やった、ぽこんと取れました。ラッキー」と喜んでいます。

*

一か月ほど前から、寝起きの際にめまいがすると言って来られていた85歳の女性。 診察すると肩こり、首こりが強く、頸性めまいと診断して治療を続けていました。

徐々に良くなっていましたが、一か月後、めまいは減っていますが食欲がなく、 急に立てなくなって寝たきりの状態になっています、と連絡をもらいました。

もしできたら、往診をしてもらえないでしょうかと依頼を受けました。

数日後お伺いしましたが、完全に寝たきりで、やっと少し動ける状態です。

鍼治療を行い、ツボの位置を教え、週に一回は鍼を貼り替えるように頼みました。

内服薬として、元気になるようにと補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を出しました。

その後何も連絡がないまま一年が過ぎた頃、息子さんが鍼治療を希望して来られ、

「母がお世話になりました。その後母は日に日に元気になり、 今は庭仕事ができるまでになっています。要介護4が今は1になり、 お陰様で元気に暮らしています」と、

言ってくれました。ほっとしました。

*

山々と夏の霧

山々をくっきりと抱く夏の霧

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