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感動的DVD

 久しぶりの連休となりました。しかし、どこにも行かず、雑用をして時間を過ごしました。

 医院内の掲示物の張り替え、庭木に付いた毛虫の退治、物置の整理など、今まで手付かずになっていたことを一気に行いました。ずっと気になっていたことが少し片付き、ホットしました。

 

 書店でDVDをみていると、見損ねた映画「半落ち」を発見しました。新発売です。

 ふと横をみると、篠山紀信が激写した「山口百恵」が目に飛び込んできました。NHKの特集番組で放送されたDVD版です。この番組を見たあと、もう一度見たいと思っていたので、うれしくなって購入しました。

 

 「半落ち」は、殺人事件の奥に潜む人間ドラマです。テーマは愛、ひたすら愛です。アルツハイマー病で退廃して行く妻の首に手をかける愛。ドナーが見つからず白血病で死んで行った息子への愛。そして、これに関連する秘密の愛。

 

 「半落ち」とは、警察に逮捕されて半分自白することだそうです。しかし、「半落ち」の意味はもう1つありそうです。登場する人物は皆欠陥だらけです。人間として半人前「半落ち」人間の切ない物語でもあります。物語は事件を扱いながら、自分だけを守ろうとする自己愛の醜い深みまで踏み込んでいきます。

 

 奥の深い、たいへん考えさせられる秀作です。必ず泣きます。醜い登場人物は、ひょっとしてこれを見ている自分かもしれない。奥さんの首に手をかける主人公は、将来の自分かもしれない(私の妻は、「私の首を締めないでネ」と言いました)。そんな、恐怖心を与えてドラマは終わります。

 

 「山口百恵」も感動的です。天才歌手の一番まばゆい時の姿を、篠山紀信の写真集などから構成しています。イヴァ・ザニッキの挿入歌「心遥かに」が官能的で、山口百恵の姿を見事に表現しています。

 

 私の高2の娘は「フン!」とこのDVDの箱を見て笑いました。そうでしょう。誰も笑うでしょう。だから密かに買ってきたのに、見られてしまったのです。誰にも一度は・・、青春?はあるンだから。

(2004年7月19日号から)

 

 

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