ミュージカル「マリー・アントワネット」 - 新妻聖子さん -
ミュージカル「マリー・アントワネット」を観に行きました。
日本ミュージカル界最高のスタッフとキャストによる渾身の舞台です。
原作は遠藤周作の荘厳な小説です。だから、もちろんテーマは神と愛です。
しかし、私は新妻聖子さんの歌声を聞きに行ったのです。
聖子さんが登場し、美しい歌声が響くと自然に涙がでてきます。
最後まで涙がにじみでて止まりません。
なぜ、聖子さんの歌声に感激するのでしょうか?不思議です。
聖子さんの歌声はホールの隅々まで朗々と響き、私たちの心のひだの奥まで届きます。誰にもまねることのできない響きです。
ふと思いました。聖子さんの歌声はオーボエの響きに似ています。オーボエはリードが二つあるだけに音に深みがあります。聖子さんは声門にリードを三つもっているように聞こえます。
舞台は絢爛豪華で明と暗、生と死、愛と憎しみ、栄光と没落など対比がくっきり描かれていたため、大変めりはりの効いた素晴らしい内容でした。
マルグリット・アルノー(新妻聖子)の心の動きもよく理解できました。
繁栄と凋落のストーリーと語り部が登場するあたりは「平家物語」を見るようでした。「奢れる者も久しからず」も同じです。
マリー・アントワネットはもう涼風真世さんしかいません。美しい。
私の故郷のスター土居裕子さんも品格のある演技でした。
人気者の井上芳雄さん、存在感のある山口祐一郎さんも素晴らしかった。
出演者のみなさんは皆すばらしい出来でした。ぼくは聖子さんの歌声に刺激されて、皆さんがアドレナリンを競って出しているように見えました。
良かった、ほんとうに良かった。
聖子さんの登場は、たぶん日本のミュージカル界の奇跡だとぼくは信じます。最後まで、声を大切にしてください。

新妻聖子さんの
オフィシャルサイトは
こちら
(聖子さんの写真は「新妻聖子オフィシャルファンクラブS-presso!」のダウンロードサービスからもらいました。
転載にあたって、ファンクラブ事務局から許可を頂いています。)
(2006年11月16日号から)
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