2004年5月17日号
「今週の談話」
梅雨前線が日本を縦断しています。天気解説では梅雨の“走り”と苦しい説明をしていますが、梅雨入りしている沖縄地方とつながる前線が日本を覆っている以上、梅雨前線で間違いありません。いずれ暫く前線が一時的に消えることもあるでしょうが、これは梅雨の“中休み”とこれも苦しい言い訳で表現します。梅雨は太平洋高気圧と大陸高気圧に影響されるため、その時々で出たり消えたりするのは当たり前です。国民の非難を恐れて、梅雨入りと言えない苦しさは分かりますが、梅雨の“走り”などと言わず、梅雨の“入り”と言って欲しいものです。
年金問題で議論が噴出しています。専門家の意見では、少子化の影響で将来我々が受け取る年金は今の約束を果たせず、更に少なくなるであろうと言われています。年金は自分達の将来のために積み立てているのでなく、実際は現世代の受給者に支出するために使われています。これが年金制度をわかりにくくさせています。自分が払った額を将来払い戻してくれるわけではありません。また私達がもし将来も働き続けるとすれば、高齢者でも労働収入があれば受給を抑制するそうなので、支払った年金は戻ってこないのかもしれません。釈然としません。問題山積です。
誰もが一定年齢に達せば、年金をもらえる基礎年金だけにしてはどうでしょうか。基礎年金は税金で強制的に徴収して支払えばいいでしょう。それ以上欲しい人は、個人的に保険会社などの個人年金に加入すればいいのです。これなら分かりやすい制度になるはずです。
厚生年金で集めた資金は信じられない使い方で、破綻しているそうです。各地の保養施設に過剰投資したり、関連施設に役人を配置したりと杜撰な使われ方がなされてきました。役人の天下り先のためにこれらの施設を作って来たと言うびっくりするような説もあります。本当でしょうか?本来なら全額を将来の支払いに備えて備蓄しておくべきなのですが、蓄えを無駄に使い、今になって国民に負担増を図っています。もともと年金制度とは、国民からお金を集めて国が勝手に流用しようと考えていたのかもしれません。かくし増税だったのでしょうね。
年金制度のおかしいところ、納得の行かないところはたくさんあります。私には、これ以上くわしいことは分かりませんが、自分が支払った額だけは何とか生きている間(平均寿命まで)に返して欲しいものです。これが素朴で素直な私の希望です。このおかしい制度のままでは、年金を納付しない人が更に増える一方でしょう。
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さくら散り、しばらくしてエゴの木にさくらを連想させる愛らしい花が咲きました。街路樹にはハナミズキ、モチなどが最近よく使われていますが、エゴの木は見たことがありません。あまりポピュラーな木ではありませんが、花が印象的なだけに、今からどこかに植えられることでしょう。
「今週の病気」
連休後に乳幼児達の集団生活が復活しました。そして、夏かぜと言われるヘルパンギーナ、プール熱が流行して来ました。高熱、咽頭痛を生じます。前者はのどに広がる口内炎を、後者は結膜炎を伴います。
雑草の花粉症が増えています。重症化する人もいます。特に目が痛いと言う人も多くなりました。かぜと花粉症が一緒になって苦しんでいる人もいます。
「今週の患者さん」
40過ぎの女性。鼻血が出ると言って、鼻を押さえながら来られました。この時、出血はほとんど止まっていましたが、処置をするために麻酔入りのガーゼを鼻に挿入するとすぐに血が出はじめました。この女性は恐怖におびえたような顔で、今にも泣き出しそうです。
「以前から鼻血が出やすいのです。血が止まらず輸血したことがあります」
と言われて、びっくりしました。こんな経験があるので怖くなっているのです。出血しているところは鼻の入り口なので、仮に血管が破れて出血していても耳鼻科医なら何とか止めることができます。
麻酔をした後で電気凝固器を使って止血処置を行いました。血管が破れて血が噴出していましたが、間もなく止まりました。
「今度血が出たら、ティッシュを縦に裂いて鼻につめると止まりますよ」
と説明すると、
「エッ、前の先生は物をつめるなと言われました。ティッシュをつめていいのですか」
と、不思議そうです。ティッシュを破ると繊維が出てきます。破ったティッシュを出血しているところに入れると、血が繊維と絡まり、血が固まりやすくなります。鼻血が出たら、とりあえずティッシュを破ってつめてみましょう。
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