週刊 談話室  
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2004年5月31日号

「今週の談話」

 梅雨入りの宣言された次の日曜日、朝から蒸し暑い晴天となっています。伸び過ぎた木々の枝を先週刈りましたが、刈り忘れた枝を今日も切り落としました。少しは涼しげになりました。

 

 

 北陸地方の病院である事件があったとTVで報道されていました。ある高齢者が胸痛を訴えて夜間救急に行きましたが、異常がなかったため治療を受けずにそのまま帰りました。しかし、次の日も同じ症状が出たため再び夜間救急に行きました。この日も異常を認められず帰りました。そしてその翌日に胸部疾患で急に亡くなりました。病院の院長は申し訳ありませんと頭を下げていました。

 これは、たいへん考えさせられました。患者側からも、医師側からも反省点があります。先ずおかしいと思ったのは、この患者さんが二回も続けて夜間救急に行ったことです。この病院のシステムは分かりませんが、一般的には当直に専門医が常に詰めているとは限りません。検査も十分にはできないでしょう。救急はあくまでも応急的な対応をする手段です。スタッフが豊富にいる通常診療とは診療体制が異なっています。より詳しい検査は通常診療でしかできません。この方は、なぜ夜間救急を二回も続けて行ったのでしょうか。二回目は、翌日に通常診療を受けて精密検査をしてもらうべきであったでしょう。夜間救急を正しく利用することも大切です

 医師側について考えてみましょう。医師は訴えに応じて必要な検査をしましたが異常が見られず、この時は本当にからだにも異常はなく、翌日に原因不明の突然死をしたのかもしれません。これなら、医師に責任はありません。一方別の見方をしてみます。「患者さんの訴えは検査結果を越える」と言う基本認識が医師に薄かったのかもしれません。検査で異常が見つからなくても、訴えがある限り、からだに何らかの異常があると思うのが普通です。今の医療は検査結果を重視する検査依存主義に陥ってはいないでしょうか検査は患者さんの訴えを補うものでなくてはなりません。「今は検査で異常は見られませんが、明日精密検査を専門医から受けてください」と言っておくのが正しかったのかもしれません。事情を詳しく知らない私が勝手に判断しては大変失礼なのですが。

 患者さんが「何かおかしい」と言って来られて、通常の検査で異常が見つからなかった時、どうすれば良いのでしょうか。「気のせいでしょう」と言う医師もいます。「自律神経失調症でしょう」と簡単に言う医師もいます。私は医療検査を万能とは思っていません。検査が全ての異常を把握できるほど医療が進化しているとは思いません

 私は「患者さんの訴えは真実である」と思っています。どんなに検査しても、異常所見を得られない時に「異常はありません」とは言えません。患者さんが異常を訴える以上、どこかおかしい点はあるはずです。「現在の医療レベルでは、異常をみつけることができませんでした。しかし、これこれしかじかの疑いがあるため、それに対応する治療を行います」と私は考えることにしています。患者さんの訴えに謙虚になるようにしています。

 しかし、開業医が一人で治療を行っているときはどうしてもこの謙虚さを忘れ勝ちです。患者さんにきめこまかく話しかけていないと、患者さんのちょっとした症状の変化を見逃すことがあります。自分で対応のできないことがあれば、謙虚に他科の専門医や専門病院を紹介することにしていますが、これが遅れることもあります

 また信念と自信をもって治療を行っていても、症状の改善が遅れると、当然ながら患者さんに不安を生み、信頼関係が崩れます。自分の持っている治療に対する信念と自信が過信だったのかも知れない、もっとより良い方法があるのかも知れないと、時々謙虚に自分を見つめ直します。もしいい方法がないなら、自分でいい方法を考えることにしています。謙虚であることは、進歩の基点です

 

 ピンクのシモツケの花が咲いています。ぽやぽや、もやもやした花が特徴です。このもやもやは雄しべです。下野の国に多かったからシモツケと言うとか。

 

 

「今週の病気」

 子供の間にヘルパンギーナが流行っています。数日の高熱咽頭痛が特徴です。夏かぜとも呼ばれています。

 イネ科の雑草の花粉症が続いています。スギ花粉症より激しく反応している人もいます。抗アレルギー剤を長期服用することに抵抗を感じている人もいますが、副作用を私は見たことがありません

 

 

「今週の患者さん」

 耳に水が入っているような気がすると言って中学の女生徒が来ました。耳の中を診ましたが水はありません。念のため、綿花を外耳道の隅々まで入れて確認しましたが、やはり水は付着して来ません。

 「気のせいだろう」と言いたいところですが、もう一度よく観察していて発見しました。耳の中が異様に綺麗なのです。姿形から綺麗好きな子だなァと思いましたが、これがヒントになりました。耳もきっと毎日手入れしているに違いないと思って聞きました。するとやはり毎日耳を綺麗にしていました水が流れる感じは、外耳道の皮膚が剥がれ、分泌物が出てきていたのです。多分軽く触っているせいで、外耳道は荒れていなくて、分泌物もほんの少し出てくるだけです。患者さんの訴えに謙虚に耳を傾けると、自然と答えがでてきます

 

 

「ゴルフdeハッピー」

 前回で開眼したと思い、密かにわくわくしながら今回のゴルフに望みました。出だしからチップイン・パーを取り、「やはり」と思いました。しかし甘くありません。次のパー4では、ティーショットを木の下に打ちこみ乱れ始めました。トリプルです。終わってみれば46・48の94と平凡でした。やり直しです



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