2005年8月1日号
「今週の談話」
夏は暑さを増し、サルスベリの花が次々と咲いています。

「耳管開放症 情報交換の場」(http://www001.upp.so-net.ne.jp/tumbs/)を管理されている方から、私のホームページをリンクさせたいとご依頼が来ました。そのホームページを読むと、「耳管開放症」に苦しんでいる方々が熱心に情報交換をされていました。すぐに、リンクを承諾いたしました。
「耳管開放症」はいまだに、はっきりとした原因も確たる治療法も確立されていません。ある程度の症状なら、漢方薬の加味帰脾湯(かみきひとう)が効果あるとされてきましたが、現状では効果はいまいちと言うところです。
「耳管開放症」は何らかの原因でいきなり耳管が閉じなくなる病気です。耳管は鼻の奥、のどの上に開口部があり、中耳腔につながっています。耳管は、いつもは閉じていますが、中耳腔の気圧を調整するため時々、口を開けた時などに開きます。
山に登ったり、飛行機に乗ったときに、急に耳が聞こえにくくなりますが、これは、耳管が閉じてしまい、開かなくなる現象です。耳管狭窄が原因です。
「耳管開放症」は逆の現象です。耳管が開いたままになるため、耳がスースーして、外の騒音や自分の声が変に聞こえたり、ゴーゴーという耳鳴りがします。
自分の呼吸音まで耳に響いてきます。鼻に入った空気が耳に抜けて、呼吸しずらくて、呼吸困難になる人もいます。
ある薬品を用いて耳管を刺激して、一時的に耳管に浮腫をおこさせる治療は、昔からありましたが、永続性がありません。
漢方薬の加味帰脾湯(かみきひとう)が効果的だとする説もありますが、この薬はもともと貧血や精神不安の治療薬であるため、効果を発揮する人は限定されます。
完全に開放してしまった人のため、耳管内に特殊なピンを挿入する方法も一部では行われています。
私は最近、この病気の特殊性に気づきました。この特殊性を改善すれば治るはずだと考え、ある漢方薬を使っています。急性期の人から慢性期の人まで効果があることが分かってきました。いま、学会発表の準備をしています。
「野に花、山に鳥」
夏ならサルスベリ、ムクゲが庭を華やかにしてくれます。
春の花は咲くと直ぐに散りますが、夏の花は長く次々と咲いてくれます。
朝顔だって、ひまわりだって、長く咲いています。
夏の花はそれだけ長く楽しめます。
わたしは、サルスベリが一番好きです。
私の庭には二本植えています。今年は特に花が多く咲いています。

「今週の患者さん」
小学校1年生の男子。
春に行われた学校検診の検診票をもってきました。
「症状は何もないのに、鼻炎と書かれています。せっかく、もらったので来て見ました」 と、何となく来たと強調する母親の言葉です。
さっそく鼻をみると、粘性の強い鼻水が鼻の奥にあります。
「ハハーン、これは副鼻腔炎だな。きっと中耳炎もおこしているぞ」と、心の中で納得しました。
耳を診ると、やはり滲出性中耳炎です。聴力検査すると30dBまで聴力が落ちています。
鼻のレントゲンを撮ると、かなり強い副鼻腔炎です。
「失礼ですが、今まで鼻水がでていることはありませんでしたか?耳が聞こえにくいということは感じませんでした?」と聞きましたが、
「いえ、何も。本当ですか?」と、理解できない様子です。
「学校や、お家で落ち着きがないようなことはありませんでした?」と聞くと、
「いつも席を立ってうろうろしています。ごはんのときもすぐに立ち上がって落ち着きのない子だと思っていました。蓄膿症と中耳炎のせいなのですか?この子の生まれつきの性格と思っていました。治ったらうれしい」と苦笑いです。
「副鼻腔炎は2〜3ヶ月かかります。しかし、中耳炎は直ぐに治せます。ついでに、性格も良くして見せます」と自信に満ちた答えをしました。
このような人はいっぱいいます。鼻を治し、耳を治せば耳閉感、鼻閉感、頭痛が改善されて、気分がよくなり、性格的な落ち着きを取り戻します。
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