週刊 談話室  
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2006年7月3日号

「今週の談話」

 “奈良の少年による一家放火殺人事件”はいつまでも気がかりな事件となっています。

 この事件の内容が明らかになってきました。

 

 父親は職場で不倫を繰り返し、3回も結婚しています。

 子供には期待の余り暴力を振ってまで、志望校(多分京大か阪大の医学部)に行かせようとしていました。


 父親は某私立医科大学の卒業だそうです。この学歴がコンプレックスになっていたとか。子供に対するスパルタ教育はこのコンプレックスが原因と言われています。

 私は、医師のライセンスがあればどこの医学部を出ても同じと思っています。医者は職人だと思っていますので、医師になった後でいかに優れた医術を身につけるかどうかが問題だと思っています。実力は医師になった後から生まれるものではないでしょうか。

 

 父親の複雑な女性関係と自分に対する教育的暴力、これで息子は計り知れないプレッシャーを感じていたようです。ストレスの塊になっていたはずです。

 異常な事件は異常な環境から生まれることは、明らかです。

 

 私も大学受験を控えた高3生の息子をもっています。

 自分は息子に対してプレッシャーをかけていないかと反省してみました。

 

 私は息子に教えるほどの能力は、今はないので家庭では一切教えません

 息子は学校で十分に勉強しているので、家庭で勉強しろとは言いません

 疲れて帰ってくるので、早く寝なさいと言っています。

 私は、職場でスタッフに恋愛感情を抱いたことがないので、女性関係もクリーンです。不思議と医師になってから今まで、職場(勤務先の病院、自分の医院)で好きになった人はいません(振り返ってみると、これは変ですね。気持ち悪いですね)。

 

 受験生をもつ親はおそらく皆、肝を冷やしていると思います。

 根の深い事件です

 

 

「野に花、山に鳥」

 ギャー、ギャーとうるさいなと庭先に立って上をみると、ムクドリの群れが電線に止まっています。田んぼの中の虫を探しに来て、電線で一休みしているのです。

 

ムクドリの写真

「今週の患者さん」

 45才 男性

 右の頭が痛くなり、頭がおかしくなったと思い、脳外科を受診しました。

 脳に異常なく、痛み止めをもらって帰りました。

 2〜3日してから耳の後ろが痛くなり、私の耳鼻科医院に来られました。

 耳を診ると、鼓膜がパンパンに腫れています。急性中耳炎です。

 鼓膜切開して膿を吸引除去しようとしましたが、内容液が粘っこくて吸引できないほどです。

 2〜3日後やっと、耳の痛みも取れてきました。

 

 急性中耳炎は、結構一筋縄ではいきません。

 その初期は脳の異常と勘違いすることもあるのです。



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