2012年4月5日号
「今週の談話」
花粉症の患者さんに混じって、くしゃみ、鼻水だけが突然でるという50代の女性がいらっしゃいます。
目は痒くない、鼻づまりもないという、明らかに花粉症とは思えない症状です。アレルギー検査を希望されたため検査すると、ハウスダスト、スギ、ヒノキ、イネ科、キク科はいずれも陰性です。
アレルギー性鼻炎のくすりを飲んでもらっても、あまり症状は変わりません。
このような方は何か化学薬品の刺激で症状がでている場合が多いのです。
鼻粘膜が刺激されて鼻水、くしゃみがおきるのです。
「何か特別に嗅いでいるようなことはありませんか?
トイレの消臭剤とか、お風呂の洗剤などはいかがですか?
おうちが新築で接着剤の臭いが強いということはありませんか?
何かお仕事で化学薬品を扱っているということはありませんか?」
と伺ってみましたが、全て否定されました。
「私は外から帰ると必ず、水にお塩をぱらぱらと入れて鼻を洗っています。
いつも清潔にするように心がけているので、そのようなものに心当たりはありません」
「お塩の量は多くありませんか?」
「いいえ、少しです」
「使っているのは水道水ですよね?」
「はい」
「わかりました。これがたぶん犯人です。水道水には塩素が入っているでしょう。鼻の粘膜が塩素で刺激を受けている可能性が高いです。いちど沸騰させて塩素を追い出してから、体温程度に温めてから使ってみてください」
鼻粘膜の敏感な人は水道水の塩素に簡単に反応して、鼻水とくしゃみがでることがあります。
*
春の嵐が吹き抜けたあとに庭に出てみると、辛夷(こぶし)の花が咲き始めていました。
白木蓮と似ていますが辛夷は花弁が広がって咲きます。
春の風にやわらかい花弁がゆらゆら揺れています。
静けさの降ってゐるやうに花辛夷
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