「治らない、治せない」耳鼻科医として駆け出しの頃、このような思いをずっと感じていました。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎などの病気がすっきりと早く治せないのです。 「治らないから慢性疾患というんだョ」という声も聞こえてきますが、私には納得がゆきません。
 「薬がない、治す技術もない」ということがやっとわかってきました。耳鼻科の病気で使う薬は思いのほか限られています。抗生剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤などわずかです。多くの研究者がいて学問は進歩しているのに使える薬はわずかです。また、技術的にも耳鼻科的処置はどこか古典的で、 「治すぞ!」という気概が感じられず進歩から取り残されている感じがします。