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Q.以前、前頭洞炎と言われ、頭を後方に垂らして、鼻から薬を入れる治療を受けたことがありますが、どのような治療法ですか。
A.副鼻腔は前頭洞、篩骨洞、上顎洞などがあり、それぞれ鼻腔とは自然孔という穴でつながっています。これらの洞に薬液を入れる方法に、ポリツェル置換法というものがあります。ベッド上で頭を後方に下げ、鼻から薬液を入れ、鼻をつまんで嚥下などをして自然孔から副鼻腔に薬液を入れる古典的な方法です。



Q.7歳男児。かぜが長引いて、鼻水、咳が続いています。耳も聞こえにくいようですが、どうしたらよいのでしょうか?
A.かぜをひいた後で、鼻水、咳がいつまでも続くことがあります。2週間以上も続けば、たいていは、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)になっていることが多いようです。ドロッとした鼻水と鼻づまり、ゼロゼロとした咳や濃い色の痰が出ることが特徴です。特に1歳児から小学校低学年までに多くみられますが、成人でもみられます。こうした咳を喘息の1つと説明されることもありますが、本当は蓄膿症の濃い鼻水がのどに落ちてとどまり、のど元でゼロゼロと音を出している場合がほとんどです。耳と鼻は耳管でつながっているため、鼻水が長引くと、感染が鼻から耳に移り、中耳炎(急性化膿性中耳炎、滲出性中耳炎)となることも多く見受けられます。耳を気にする、聞こえが悪い、耳に手を持っていくなどの症状があれば、中耳炎を疑ってください。
 副鼻腔、中耳腔は空気の入った空洞です。ここに膿汁が貯まったまま放っておくと周囲の組織まで悪くなり、将来手術をして治すことになります。したがって、副鼻腔炎、中耳炎はすぐに治さなくてはなりません。
 副鼻腔炎は、薬と副鼻腔洗浄とネブライザー療法で治療します。週に2〜3回これを繰り返すと、1〜2カ月で治ります。副鼻腔洗浄は、水鉄砲で副鼻腔内を洗うと考えてください。乳幼児には無理ですが、大変よく治る方法です。
 中耳炎は鼓膜切開と薬で治しますが、治りにくい場合は、排液と換気を行うチューブを鼓膜に一時的に置く方法をとります。早く確実に治す優れた方法です。チューブ抜去後はすぐに穴もふさがってきれいに治ります。
 もともと空気のあるところは、早く確実に治すこと。これが副鼻腔炎、中耳炎の治療方法です。

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