(2007年12月24日掲載)
インフルエンザの流行る季節になると、色々と治療法が紹介されます。
私の治療法を紹介します。
抗インフルエンザ薬のタミフルについて、その副作用が問題化されて医療現場では混乱しています。10代には飲まさないようにとの通知がくる有様です。
医療機関によっては、タミフルを飲むか飲まないかは母親に決めさせているようです。
私のインフルエンザの治療は明確に私が決めます。
インフルエンザ迅速診断で明らかに陽性に出た人には、インフルエンザウイルスが最盛期であると考え、タミフルかリレンザを1~2日分ほど出します。
常用量は5日分ですが、私は1~2日の投与で十分と思っています。
症状からみてインフルエンザは間違いないと思っていても、迅速検査ではっきりと陽性に出ていない人(擬陽性)もいます。
この人にはインフルエンザウイルス量が少ないと考え、抗インフルエンザ薬は無理に出しません。
しかし、感染初期と考えられるときには、「ぱっと飲んでぱっと治しましょう」と言って、一日分程度出します。
私は漢方治療も併用しています。
漢方の歴史は風邪(インフルエンザ)との戦いの歴史です。風邪の治療に優れた知恵をもっています。
治療の第一歩は汗を出させることです(発汗療法)。
汗を出す薬は麻黄湯(まおうとう)が優れています。これを、先ず3包処方します。汗が出るまで飲んでもらいます。1包で汗がれば、1包で終わりです。
飲むのは一日分で十分です。
ただし、汗がすでに出ている人には麻黄湯は必要ないので出しません。
また、汗かきの体質の人には、麻黄湯でなく、桂枝湯(けいしとう)を出します。
汗が出た後は体調を回復させるために柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)か小柴胡湯(しょうさいことう)を数日間飲んでもらいます。
私の治療で一番大切にしているのは、解熱鎮痛薬を飲ませないことです。
解熱鎮痛薬の併用がタミフルの副作用の興奮状態を生じている可能性が高いと私は睨んでいます。
また、発熱・発汗は自然治療の大切な要因です。それを阻害する解熱鎮痛薬は使わない方が、早くインフルエンザを治すことができます。
この治療を私は続けています。
ほとんどの人が1~2日で熱も37度台に下がり、2~3日目にはすっきりと体調を回復させています。早く治るので喜ばれます。
また、この治療で興奮・せん妄などの異常行動をみたことはありません。