(いわゆるBスポット療法)
(2018年3月25日掲載)
今年(2018年)の2月に「慢性上咽頭炎を治しなさい~つらい不調が続いたなら」なる本が「あさ出版」から出版されました。作者は堀田修医師です。
巻末の上咽頭炎治療機関一覧に「くが耳鼻咽喉科」も紹介されています。
http://special.asa21.com/special/eat/
「唾を飲み込むときにのどが痛くてつらい」
「のど飴をなめても、のどの痛みがいっこうに改善しない」
「風邪は治ったはずなのに、咳がいつまでも続く」
「鼻水がのどを流れて落ちてくる(後鼻漏)」
「のどの詰まった感じが取れない」
「頭痛、不眠、全身のだるさ、肩こり、身体がふわふわした感じなどの不快な症状が取れなく、ふさぎこんでいる」
などの症状は、鼻の奥、のどの上の上咽頭に炎症が原因のことがあり、ここに綿棒でうすい濃度の塩化亜鉛を塗ると、それらの不快な症状が改善されるという治療法をこの本で紹介しています。
その他に、掌蹠膿疱症、潰瘍性大腸炎、IgA腎症、ネフローゼなどにも有効であるそうです。
私は30年間ほど、一日に50人前後の方にこの治療を行ってきました。
この経験から、この本には載っていない他の症状も治療しています。
私の経験で一番効果があると思うのは発熱、咽頭痛、鼻水、咳などの急性期の症状です。
鼻水が減れば中耳炎(滲出性)、副鼻腔炎も治りやすくなります。
いつまでものどが痛い、微熱が続く(不明熱)、からだがだるいなどの症状にも効きます。
鼻の周辺が痛い、耳の周りが痛いなどのときも上咽頭の炎症が原因のことが多く、この治療で軽快します。
耳がつまりがちの耳管狭窄症のときも上咽頭の腫れが原因であることが多いので、この治療も併用すれば治りやすくなります。
私にとって一番の問題点は、後鼻漏でした。
この本では「後鼻漏の人には激しい上咽頭炎があり、10回治療すれば治る」とされていますが、私が診てきた例では炎症がほとんどない例もあり、そうした例ではこの治療法だけではきれいに治せませんでした。
そこで私は更に工夫を凝らして治療を行うようにしました。
その甲斐あって今は以前より短期間で治すことができるようになっています。
後鼻漏の治療の難しさがここにあります。