くが耳鼻咽喉科(愛媛県松山市北条)

処置室「治療玉手箱 私の創意と工夫」

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コロナ後遺症の治療

(2023年01月25日掲載)

1月17日のNHK松山の夕方の番組「ひめポン」の特集番組「新型コロナ後遺症にどう向き合う」出演し、コロナ後遺症について話しました。

番組では後遺症に長期で悩む人を取り上げたかったようで、治り難い方のみクローズアップされました。後遺症で悩む人のほとんどは治療すれば早期に治せると事前に話したのですが、番組時間に制約がありここは放送されませんでした。取材中に話したことで番組には取り上げられなかった点を記載します。

私の医院では様々なコロナ後遺症の方を診てきました。今まで、およそ200名ほどコロナ後遺症を治療してきましたが咳、頭痛、のどの痛み、味覚・嗅覚障害、めまい、立ちくらみ、倦怠感、鼻水鼻づまり、呼吸困難、下痢、腹部不快感などは数週間で治る人がほとんどです。

しかし、約一割の方仕事ができない、学習ができない、脳の霧(脳に霧がかかったような感じ)、満足に以前のように生活ができないなどの症状が長期に続く難治性の方がいます。その方々は体の中新型コロナウイルスが残り、いまだにウイルスが複製を続けている可能性が高いと思っています。このウイルスは血管の内皮細胞に侵入することが多く、身体のどこかの部位に血流障害が生じそれが続くと、様々な症状後遺症として残ります。

誰もが生まれつき病気を治す免疫能自己治癒力を持っていますので、この機能を活性化させればこのコロナ後遺症も早く治せます。上咽頭の治療(いわゆるBスポット療法)コロナの後遺症にも有効といわれて私も治療していますが、これだけでは治し難いため、私はその他に東洋医学的手法を用いてコロナ後遺症の方に治療しています。番組で話しました上咽頭の治療は余り知られていませんが、これは実は東洋医学の瀉血療法の一つです。

この上咽頭炎の治療(耳鼻咽喉科専門医の立場から)東洋医学的治療(東洋医学専門医の立場から)は感冒、咳(急性、慢性)、気管支炎、副鼻腔炎、中耳炎などの治療の一つとして30年間にわたって私の医院で行ってきました。その治療経験が今になって、このコロナ感染症の治療役立っています。

東洋医学専門医の立場から経絡療法(ツボ治療)を駆使して耳鳴り、難聴などの他に頭痛、肩こり、腰痛や膝痛などの治療も行っています。頭痛、肩こり、腰痛や膝痛などを治せばなぜか耳鳴り難聴、めまいなども治しやすくなります。私の医院では長年これらの治療を行ってきました。その他に東洋医学専門医としての知識を生かし、漢方薬漢方製軟膏(神仙太乙膏など)を使ってアトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱なども治療しています。このような色々な病気を治せるようになったのは東洋医学を学んだお陰です。

さて、このような後遺症なぜ起きるのでしょうか。まず、治療のスタートが問題です。コロナ感染と判定されると治療薬として解熱鎮痛薬のカロナール錠がほとんどの方に出されます。これは、発熱痛みのみを緩和する薬です。せめて日ごろからよく出ている風邪薬出すべきではないでしょうか。

理想を言えば最近認可された抗コロナウイルス薬ゾコーバ早期に使うべきだと思います。これはコロナウイルスを減少させる効果があります。残念ながら認可が遅すぎました。

また、後遺症の方に行っているような私の治療感染時に行う効果的です。私は患者さんに車に待機してもらい、そこに行って治療しています。柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)清肺湯(せいはいとう)も効果的です。

後遺症が長引いている方は、おそらく体内にコロナウイルスが残り、ウイルスを複製させて感染を遷延させている可能性があります。

今はコロナ感染症長引く後遺症根本的に治す方法が早く解明され、どの医療機関でも治療することができる日が早く来てほしいと思います。

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