2019年10月13日号
「今週の談話」
今年は厳しい大型の台風が関東地方を襲いました。
先月の台風15号で住宅の被害が大きかった千葉県鋸南町では、今回の台風19号が通過した13日朝、屋根に張られていたブルーシートの多くがはがれ、住民からは落胆の声が聞かれました。
19号台風は12都県に大雨をもたらし、各地の河川が決壊して大きな被害を受けました。
私は前の日から箱根地方を旅行する予定でしたが、台風襲来の予報を見て早めに旅行をキャンセルしました。その箱根地方は1000mmを超える大雨になり宿泊していた客は2階に避難していると報道されていました。

旅行を中止したため、この日に予定されていた「臺(うてな)」句会の年次大会に急遽出席できるようになりました。
この年次大会はお祭りです。午前中は主宰などの挨拶に続いて臺賞、同人賞の表彰と高村昌慶さんと城戸義文さんの講話などがあり、午後は句会となりました。
昼食時に高村昌慶さんとお話しをしましたが、愛媛県下の句碑を研究していてその第一人者だそうです。そういえば、句会報に様々な句碑の写真とその俳句の解説が掲載されていることを思い出しました。
城戸義文さんも俳句研究の記事を毎回書かれていて、その知識の広さと深さに感服しています。
午後からは句会となりました。
一人3句の俳句を予め提出した後、その後一覧表が送付されて来、その中から3句選び更に返送しました。それを総まとめした一覧表をもとに選句が順番に読み上げられ得点を拾っていきます。その結果高得点の3人が表彰されました。
この句会は選んだものを選者が感想を述べますが、ほとんど批判がでることはありません。選んだ俳句はいい俳句だったと感心し褒めあいます。
私が参加している別の句会ではシビアに批判し合ってそれなりに勉強となるのですが、今回の臺句会年次大会はお祭りなのでただ褒め合うだけになります。
一位は9点句の「電柱の影にもすがる炎天下」
二位は6点句の「小さき手のほどけてひとつ天道虫」
三位は5点句の「かがみ込むペディキュア照らす花火かな」
私の気になる4点句「夏の夕しまひ忘れし猫の舌」
でした。
批評はしませんでしたが、私が「一句目」に感じたのは、電柱の影に入っても電柱も土も焦げているので休むにはあまり役立たないけれど、他にすがるものがないという苦しさが表現できていて佳句でした。「二句目」は「ほどけてひとつ」がやや説明的なので「小さき手を開いてみせる天道虫」にしたほうが、子供の自慢げな顔が浮かんでくると思いました。「三句目」はこれで十分に色っぽさもでているし、上を見ているかと思えば、下を見ているという面白さがあってとてもいいです。あえて言えば、ペディキュアはかがみ込んではじめて見えるものなので「かがみ込む」は過剰表現に近いかなと思いました。「照らす」も同じようなに過剰かなと思いました。「ペディキュアを醸し出したる大花火」などが浮かびました。しかし、俳句は作者が思いついた言葉に季語をつければそれでいいので、原句のほうがストレートでいいですね。
なお私の気になる4点句は「しまひ忘れし」が少しあいまいではないでしょうか。「しまうを忘れ」としたいところです。「夏の夕しまうを忘れ猫の舌」
ちなみに、私が選んだ俳句は次の3句です。
「散る花を受けて生まるる水輪かな」
注・「散る花」は花の「死」を意味し、水の上に落ちて水滴が跳ねて「生まれる」という死と生の対比、椿の赤(であってほしい)と水滴の光る白という色の対比が見事です。スローモーションで撮って4Kテレビで再生すると飛び跳ねる水滴と、波及する水の輪が美しいでしょう。
「睡蓮の花動かせて亀覗く」
注・睡蓮の花が水に乗って動いているのかと思ったら亀が出てきたという、意外性とユーモアが感じられて好感がもてます。
「秋暑し背へ水吹く象の鼻」
注・秋暑しの風景がのどかに表現されています。
私の作った俳句は「夏帽子壁にくたくた眠りこけ」で3点いただきました。
もう一つの「白鳥は城を抱きて輝かせ」は無点句でした。これは私にとっても推敲が必要な俳句なのですが、「城」主宰から「輝」主宰への主宰交代のお祝い俳句として出したものです。「白鳥の輝く翼城を抱く」の方がまだ分かりやすかったのではないかと反省しています。城先生の偉大さを若く元気な輝主宰が引き継いで、臺句会を大きくしてほしいと願っています。会員の皆様の応援もお願いします。
この夜、ラグビーワールドカップ日本大会の予選最後の試合がありました。日本はスコットランドを死闘の末28対21で破り、悲願の決勝トーナメント出場を決めました。日本は驚異的な粘りをみせて4トライを決め、28点を守り切りました。選手は満身創痍の状態ですが、応援している私の肩も凝りました。できたらあと一勝してベスト4に進んでほしいと思います。
