2026年4月24日号
「今週の談話」
85才の男性。
鯛の骨がのどに刺さっているとニコニコして来られました。
あまり痛がっていないので小さい骨かと思いましたが、唾液にまみれていたので全体が分かりません。
しかし、扁桃の辺りに魚骨のようなものが見えました。
ピンセットで挟んで思い切り引き抜きました。取ってびっくりです。
5センチほどの、今までの中で最大級の大きさです。痛くなかったのか不思議です。

魚骨といえば必ず思い出すことがあります。
あるとき「のどに骨が立って痛いです。3軒の耳鼻咽喉科に診てもらいましたが、何もないと言われました」と言って30才ほどの女性が遠くから来られました。
「絶対にあります。取ってください」と強く主張しています。
見た感じは確かに何もありません。
しかし、これはどこかにあるはずだと思い、よく見ると、扁桃腺の手前の辺りの粘膜が少し赤くなっていました。ここかなと、ピンセットでなぞっていくとカツンと何かが当たります。 これかもと思い、ピンセットで掘り起こすと小さい魚骨がでてきました。「ほら、ありましたよ」と言って見せると、ワーと言って駆けだし、玄関で大きな声で泣き出しました。よかった、よかったと泣きながら帰られました。
患者さんの言うことは正しい、という信念が私の中にはあります。
その信念に従った結果が実った一件でした。
*
鎌倉に住む友人が突然「ふわふわするめまい感が取れない」と言って外来に来られました。
時々松山に所用で来られる方で、以前も副鼻腔炎かもしれないと言って来られたことがありました。その時は副鼻腔炎と上咽頭炎の自己治療の方法を教え、家庭で治療をしてもらいました。
「お陰様で鼻とのどの調子は良くなったのですが、今度はめまいがすっきりしません」と説明してくれました。
朝起きるときにめまい感がするので近くの耳鼻咽喉科を受診して、頭位めまい症と言われたそうです。 確かにそのようなめまいは、頭位めまい症で間違いはないと思いましたが、念のためベッドに寝てもらい確認をしました。 やはり、仰臥位で頭を動かしてみると、頭位めまい症に特有の眼振(目の動き)がみられました。そこで、寝たままの姿勢で治療を行いました。
「このような治療をしてもらったでしょう」と尋ねると、「いえ、治療は受けていません。薬ももらっていません。頭位めまいですと言われただけです」と驚くべきことを教えてくれました。
めまいで受診したにもかかわらず、何も治療を受けず帰って来たというのです。そのような耳鼻咽喉科医院もあるのかと驚かされました。
頭位めまい症(良性発作性頭位めまい)は比較的多いめまいの一つですが、それ相応の治療法があります。
三半規管に入り込んだ耳石が動くたびにめまいがしているので、その耳石を元に戻す体位を何回かすれば、めまいが治ります。 それを治るまで繰り返すことになります。早い人は一回の治療で治ります。
この方は遠方から来られた方ですので、自宅でもできる治療法を教えてあげました。
めまいの方は色々な方が来られます。
お決まりのように、めまいにはこの薬と書いている指南書があり、どの耳鼻咽喉科でも、その他の医院でも決まりきったこれらの薬を使っています。 ほぼ100%の診療所がほとんど同じ薬を出しています。しかし、私の経験上は残念ながら、それらの薬はほとんど効果がありません。 めまいが治るどころか、かえって悪くなることもあります。
めまいの治療は非常に難しいです。 西洋薬の治療薬はほとんど効きませんので、どんなにめまいを専門にしていても、結果的にはめまいは治せないことになります。
一番悪いのは医師ではありません。治せないめまいの薬を出している西洋薬の製薬会社だと私は考えています。
私は独自の考えで治療を行っています。東洋医学の考えを応用して、漢方薬と鍼治療で対応しています。この方がまだましです。
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桜が散り、藤の花が咲き始めました。
様々な花が膨らんだ蕾を開き、すっかり春らしくなりました。

少女らの来る来るくるり藤の花
