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| 保守・革新の逆転をかけて激しく争った今回の衆議院議員選挙。新人で立候補したSさんは、数年来の知人で、その戦いぶりは気になっていました。そして、選挙最後の頃には体調も悪そうで、さすがにあの美声もかすれ声に変わっていました。即日開票の結果
、努力の甲斐あって、めでたく当選されました。当選四日後にお会いした時、 「声がかすれたまま治らないヨ」 「もう少し様子をみたらどうです」 声のかすれ方から、明らかに声帯炎で、いずれあの美声は戻ってくるだろうと思いました。二週間後、突然電話があり、 「皆はもう声は治っているのに、自分だけ治らないから、一度診てくれませんか」 翌日、声帯をみると案の定、声帯は赤く腫れ上がり、発声時の振動が不規則になって声がかすれていました。こういう時は、腫れと炎症を取る作用のある柴苓湯が適しています。また、特製の漢方のうがい薬もよく効きます。これらを渡しながら、 「いずれ治りますから、ご安心下さい」 と元気づけて別れました。それから五日後、テレビでニュースを見ていると、偶然S議員がインタビューに答えていました。声は治っただろうかと耳を傾けていると、あのかすれ声はすでに消え去り、美声は戻っていました。 ![]() 声は、「のど仏」にある声帯が規則的に振動して生じますが、この声帯が腫れたり(声帯炎)、逆に萎縮したり(声帯溝症)、また声帯に隆起物ができたり(声帯結節、声帯ポリープ、腫瘍)、声帯そのものが動かなくなったり(反回神経麻痺)すると、声帯の振動が不規則になり、声がかすれてきます。最近は、カラオケで声をからす人も増えています。趣味もほどほどにして下さいネ。 (1993年9月) |
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