2018年11月13日号
「今週の談話1」
「のどに魚の骨が立ちました、チクチクします」
と言ってくる人が時々来られます。
23歳の男性もその一人です。
「アナゴを食べてから咽喉が痛くなりました」と言ってきました。
「どの辺が痛いですか」と言って、その場所を指してもらいました。
咽喉(のど)の下方の、のど仏の辺りを触っています。しかし、咽喉をファイバーで覗いてそのあたりを見ても魚の骨はどこにもありません。
「どこにも無いですね」とファイバーの画像を見ながら話しました。
しかし、咽喉の下を指しながら実際は扁桃腺に骨が立っていたことや、右の咽喉が痛いと言う人の右の扁桃腺をみると逆に左側の扁桃腺に骨が立っていたこともあって、咽喉の痛みの位置はあまり信用ならないのです。
この人が痛いと言うことは間違いないので、「気になるところがあります」と言って、何度も扁桃腺を探りました。
そして、何かの感触があったので、ピンセットでつまんでみると、骨が出てきました。魚の骨は半透明なので、うっかり見逃すことがあるので注意が必要です。
40才ほどの女性の場合も印象に残っています。
咽喉(のど)に骨が立ち、痛みが取れないので耳鼻科に行きましたが、「ありません」と言われ、どうしても痛みが取れないので2軒3軒と耳鼻科を巡り、どこでも「ないですね」と言われ、遠くの私の医院まで来られました。
「痛いです。チクチクします」と言われるので、指差してもらった左の扁桃腺を詳しく探ってみました。しかし、見たところどこにも骨の姿がみられません。
「ひょっとして、埋もれているのでは?」と思いながら、ピンセットでそれらしい所を触ると、カツンと当たった感触がしました。ここだと思いピンセットを深く入れると、骨が見えてきました。取り出すと、割と大きい鯛の骨でした。
このように、魚の骨は取り出すのに難渋することはしばしばです。
「今週の談話2」
岐阜県の飛騨高山に行ってきました。
標高が高いので、すでに紅葉が始まっていました。
柿の木には誰も取らない柿がたわわに残されていて、古民家の風景に溶け込んでいます。

急に冷え込んでくると、我が家の紅葉も赤く色をつけてきました。
しかし、暑い夏が影響しているのか、色が少しくすんでいます。
あたたかい紅葉の腕に包まれて
