2019年2月28日号
「今週の談話」
花粉症予報によると今年のスギ花粉飛散は例年並みとなっていましたが、2月中旬以降例年になく多くの花粉症の患者さんが来院されています。
「今までの薬が効きません」「死ぬほど効く薬を出してください」「今年は特に目が痒い」「鼻水より咽喉がいがらっぽく、咳がでます」などと言う人が圧倒的で、「2~3年は何もなかったのに今年は症状がひどい」と急に駆け込んでくる方もいらっしゃいます。
中には涼しい顔をして「年々症状は軽くなります、もう大丈夫と思いますが、念のため軽い薬をください」と言う方も来られます。スギ花粉に対する免疫が自然にできているのでしょう。
スギ花粉症舌下免疫療法といわれる治療法がでてきていますが、そうしなくても年々自然に免疫を獲得している人がいることは確かのようです。しかし、舌下免疫療法を3年間ほどしたから、ぴたっと症状が消えるということはありません。根気があれば、少しはいいかな、しないよりかはいいかなという程度の治療法と思います。
この治療を希望する方には治療をしていますが、積極的にすすめてはいません。おそらく症状改善率は5%から10%前後でしょう。自然に免疫を獲得するよりは、もしかしたら数年早く免疫を獲得できるかもしれないという程度だと思います。
この種類の治験は抗アレルギー剤の内服を同時にすることもできるため、どうしても内服薬の改善率と同じになってしまいます。舌下免疫療法で80%は治ると言っていますが、それは内服薬の改善率と同じです。結局舌下免疫療法改善率は自然獲得免疫率とあまり変わらないようです。抗アレルギー剤を絶対に飲まないという治験なら信頼がおけますが、それは人道的に不可能です。
最近ハウスダストの舌下免疫療法も出ていますが、これは勧めません。日常生活でハウスダストを吸い続けているため、いわば自然吸入免疫療法を誰もが毎日しているからです。
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山口県の長門地方に最近脚光を浴びている角島大橋があり、行ってみました。

ここはずっと以前からある西長門リゾートに位置しているようで、遠浅の白波が打ち寄せる海岸から遠くにある角島まで長い橋が架かっています。TVのCMに利用されたり、ドラマの背景に使われています。
橋脚の下では数名のダイバーがドルフィンキックをして潜り、その浅瀬には遠くから白波が打ち寄せてくる雄大な風景を楽しむことができます。
橋を渡って角島に行くと、美しい角島灯台が迎えてくれました。灯台の下には一面に水仙がびっしりと植えられていて、潮風に大きく揺れていました。
この島は、今からどんどん開けていきそうな予感がしました。
水仙咲く日本灯台保存会
