2019年3月24日号
「今週の談話」
堀ちえみさんが舌癌を公表し、手術後の闘病生活が語られています。
手術後の舌は今までのように自由に動かすことができないため、今後のタレント生活はかなり制約されそうです。
不思議なもので、かつてのアイドルタレントの堀ちえみさんが舌癌になると、舌の異常感があれば、自分も堀ちえみさんと同じものではないかと不安になるようで、舌を見てくれという方が増えています。
たいていが舌の口内炎であったり、舌炎であったりと悪性ではないのですが、ひょっとしたらと、不安になるようです。
舌は常に歯と接触しているため、機械的刺激で口内炎や舌炎になりやすいです。特に高齢者になると口の中で重要な役割を果たしている唾液分泌が悪くなるため、舌とか口腔内粘膜が傷つくと修復されにくくなり、舌や口腔内の痛み、乾燥感が長い間続くことがあります。
舌の奥には有郭乳頭という数個が横に並ぶ隆起物があります。それを急に発見して、癌ではないでしょうかと言って来られる方もいます。イラストや写真を見てもらって説明していますが、中々納得してくれない方もいらっしゃいます。
明らかに口内炎と舌炎で顔なじみの人が来られました。「悪性ではないでしょうね」と舌癌を気にしている様子です。舌をよくみて治療した後「舌癌は、若くてかわいい方がなる病気なので、大丈夫ですよ」と言いますと、「それなら安心です、絶対大丈夫だわ」と笑いながら帰られました。(こういう明らかな冗談でも、時には問題となりますので、冗談の通じる身近な人にしか言えませんが)
舌癌と言えば、思い出すことがあります。
「口内炎で一年しても治りません」と言って来られた方がいらっしゃいました。舌を診ると明らかに舌癌です。潰瘍性病変があり、痛みも続いています。すぐに大病院を紹介し、行ってもらいました。手術を行い無事退院されましたが、残念ながら数年後に亡くなられました。
もう一人の方は、「口内炎が一か月ほど治りません」と言って来られました。口内炎にしては少し炎症が大きく痛みもあるため、大病院を紹介しますと、この方も舌癌でした。幸いに病変部位が小さかったので、腫瘍の部分切除だけで良くなりました。
口内炎と思っていても長引くものは、悪性のことがありますので注意が必要です。何事も早期発見早期治療が大切です。
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桜の開花宣言がなされました。愛媛県は道後公園にある標本木のソメイヨシノが5輪以上開花すれば、開花宣言をするそうで、その風景が新聞に載っていました。暖かく晴れ渡ったこの日に、どの程度桜が咲いているか近くの桜の木を見に行きました。
ソメイヨシノはまだ蕾の状態です。所々で彼岸桜が咲いていました。

行く雲は二度と帰らず彼岸桜
