2025年4月17日号
「今週の談話」
咽喉の上に魚の骨が刺さっていると言って60代の男性が来られました。
「喉が痛い、喉の上に鯛の骨が刺さっている。
昨日から取れないので取ってほしい」と言って来られました。
「なるほど、ここが痛いのでしょう。しかし、ここに骨は刺さってないですよ」
「そんな馬鹿な、ここここ、この喉の上」と指さしています。
最初から、喉には刺さっていないと私は分かっていました。
そして、「ほらこれでしょう」と言って魚の骨を取って見せました。
「あれ、咽喉じゃないの?どこにあった?」と不思議がります。
「ほらここです」と言って、舌の上を教えました。
「舌に刺さったのが咽喉に当たって痛かったのですよ」
「そうか、舌か。分からないはずだ」と笑って帰りました。
以前、中学生の女の子が左の喉に骨が刺さって取れない、と言って来ました。
なるほど、そう言うことかと思いました。
反対側の魚の骨が立っているのは右の扁桃でした。長い骨だったので、立った骨が反対側の左の扁桃に当たって痛かったのです。
魚の骨は反対側を痛くするということをその時学びました。
*
桜が散ったころ、三番町通りを入ると桜並木に出会いました。
そうだ、ソメイヨシノの桜シーズンが終わるころにここの桜並木に花が咲くのを思い出しました。ここの桜はボタン桜で一段と妖艶です。
持っていたカメラで桜を撮りました。そこでまた一つ思い出しました。
ここには緑色の桜があったはずだ。それを探してやっと見つけました。
この桜は御衣黄(ぎょいこう)と言います。
御衣黄桜は、緑から次第に中心の部分が筋状に赤に変わっていく珍しい花で、
名付けられたといわれています。大島桜をもとに作られた品種と言われています。その色が、貴族が好んで身に着けた衣服の萌黄(もえぎ)色に似ていることから名付けられたといわれています。大島桜をもとに作られた品種と言われています。
私はかつて弘前城の桜を見に行ったことがありましたが、広大な城内の公園に何本もの大きい御衣黄桜が植えられているのを見てびっくりしました。
これこそ葉桜と言うべきではないかと思いました。
松山の三番町通りに御衣黄桜があるのを知っている人は少ないと思います。
かつて俳句の会で御衣黄桜を詠んだ人がいてその人の博識に大変感激したのを思い出しました。


御衣黄(ぎょいこう)に会えて美し三番町
