くが耳鼻咽喉科(愛媛県松山市北条)

週刊 談話室

■戻る

2025年12月11日号

「今週の談話」

インフルエンザが流行しています。小中学校の学級閉鎖の情報が多くなってきました。

当然のことながら、私は様々な病気を診てきていますので、誤った医療情報が世の中に広まっていると感じることも多いです。今はウイルスの検査ができますので、正確な情報を私は得ることができます。

以前から感じていることですが、インフルエンザに対する症状情報が間違っていると思っています。一般的にはインフルエンザについてネット検索すると次のように書かれています。

インフルエンザの前兆・初期症状は「強い悪寒」「急激な高熱(38℃以上)」「全身の強い倦怠感・だるさ」「関節・筋肉痛」「頭痛」などが特徴で、風邪のように喉の痛み鼻水が先に出るより、全身症状が先に、かつ急速に現れるのがポイントです。体がゾクゾクして布団に入っても寒気が取れないほどの悪寒を伴い、短時間で症状が進行することが多いため、この急激な不調を感じたら早めの受診が大切です。

これが社会の常識となり、医師もそのような方をみるとインフルエンザの検査をするようにしています。

しかし、私の経験では「のどが痛いだけ」と言われる方に異常を感じた場合には検査をしますと、インフルエンザ陽性と出ることがあります。

また、「鼻水がやたらと出ます」という方や、「鼻水が止まりませんもよく出ます、熱はないし、のどの痛みもありません」という方にも直感的におかしいと思ったら検査をします。そういう方もインフルエンザ陽性と出て大騒ぎになることがあります。

高熱、喉の痛み、鼻水、咳などがあれば車で待機してもらい、そこで検査をしますが、鼻水だけで来られた方はまず検査はしません。しかし、何かおかしいと感じたときはすぐに検査をします。そういう人がインフルエンザ陽性に出ることもあります。長年に培ったカンが当たることがあります。

院長の庭

俳句仲間の源元鬼(久保進)さんが「臺の同人」という俳句雑誌を出されました。

「臺(うてな)俳句」の同人の俳句を集めて彼のコメントを添えた作品集です。

私の俳句も紹介されています。私が忘れかかっている俳句もあるのですが、まとめていただいていますので、ここに転載させていただきます。

     平成23年度NHK全国俳句大会/秀作・寺井谷子選

やわらかく膨らむ地球春の虹

     2019年愛媛新聞短詩形文学賞俳句/推薦一位賞・小西昭夫選

腰折れと呼ばれる山や葛の花

     2020年愛媛新聞短詩形文学賞俳句/年間賞・小西昭夫選

まだ続く応仁の乱むつごろう

     令和3年第22回NHK全国俳句大会/

     秀作・鈴木章和、対馬康子選、佳作・夏井いつき選

真っ白の夏野忌野清志郎

     2024年愛媛新聞短詩形文学賞俳句/優秀賞・小西昭夫選

黒揚羽壊れた椅子に来て休む

     その他臺俳句の作品/源元鬼(久保進)選

トラックの牛の眼玉が夕焼けて

ピアノ弾く指は多彩に秋灯す

どら焼きとまったり過ごすクリスマス

忙しく地球は廻る桜散る

断捨離の本の結び目去年今年

褒められて背中を汗の腹が這う

これだええんかええんやななめくじり

山なりの返事を返すソーダ水

つくつくしシュークリームを抱えゆく

立ち直る草はまばらに寒卵

踏みはずす階段と恋雪明かり

字足らずが字余りになり夏の川

膝頭遠くの秋を波に聴く

ページトップへ