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「ハナがつまって、のどが痛く、3日間寝られません」 40歳になるMさんが、今にも倒れんばかりに、青白い顔をして座っています。 「頭痛も強く、いろいろと治療してもらっていますが治りません」 ますます、消え入りそうです。一見して、感冒による症状が強く出て、全身の倦怠感を生じていると感じました。鼻の中には少量の膿性鼻汁があり、のどはやや赤く腫れています。首から肩をさわると、筋肉がパンパンに張っています。早速ハナとのどを丁寧に治療したあと、肩こりの治療を十分に行いました。 「ハナものども頭痛も治りました。ウソのように楽になりました。肩の治療だけもう1度して下さい」と、明るい顔をして翌日来院されました。 かぜによる症状はさまざまです。しかし、肩がこることが多く、肩から首筋の治療をすると、頭痛はもちろんのことハナやのどの症状もよく取れます。 肩こりは、肩や首の筋肉のこわばりですが、肩こりで頭痛、不眠、めまい、耳鳴りなどさまざまな症状をひきおこします。肩こりの原因は、睡眠不足やストレスによる疲労が主ですので、身体を十分に休ませたり、リラックスできる運動をすることが大切です。 慢性の肩こりで悩んでいる人は多く、また治療法も多くありますが、私は東洋医学的手法で治療しています。 漢方薬では葛根湯が主ですが、その他に、女性の肩こり、めまい、動悸などの症状があれば当帰芍薬散を用います。頭痛や吐き気を伴う肩こりには、五苓散も効果があります。中高年になり、のぼせ、耳鳴り、肩こりがあり、朝に特に頭の重い人には釣藤散が良いようです。 ![]() 肩こり、頭痛のつぼとしてよく知られている風池、肩井、合谷などへの針治療も大変効果があります。指先でこれらのつぼをマッサージするだけでも楽になります。 肩こりという言葉は、中国語にも英語にもないそうです。肩がこるのは日本人だけなのでしょうか。狭い日本で働き過ぎ、ついつい肩がこるのかもしれません。ゆとりのある生活こそが肩こりの最良の治療法なのかもしれません。のんびり、楽しい人生を送りたいものです。 (1996年4月)
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