今年も新しい希望をふくらませているものと思います。我々の夢は何といっても少しでも耳がよく聞こえるような治療法が生まれ、そして進歩することだと思います。
 平成8年12月15日に、耳鼻咽喉科の学術講演会が行われましたが、この会で愛媛大学の比野平先生が人工中耳について、西原先生が人工内耳について発表されました。人工中耳、人工内耳は、柳原教授のご研究、ご指導の結果、めざましい進歩をとげています。補聴器を用いても聴力の改善の望めない方は、ぜひ愛媛大学の耳鼻科でご相談されることをお薦めします。治療費も、関係者のご努力で自己負担が少なくなっていますので、迷っている方は、ぜひ今年こそは思い切ってみられたらいかがでしょうか。
 補聴器も年々進歩し、デジタル方式のもの、マイコン制御のものなどが出てきて、不快な雑音をカットし、クリアーに聞こえるように工夫されています。しかし、なぜか価格が高い。これが問題で、なかなか新しいものを紹介する気が起きません。手頃な価格で性能の良いものの出現を望みたいものです。
 鼓膜に穴が開いて聞こえにくい方にも、手術方法の進歩で比較的簡単に鼓膜を閉じる方法が考案されているため、ぜひ手術を受けて、少しでも聞こえるようになっていただきたいと思います。今では耳の後ろを切り、皮下の組織を取ってきて鼓膜の代わりに貼り付ける方法が取られていますが、残念なことに身体にメスを入れる必要があります。近い将来、恐らく新しい素材が誕生し、鼓膜の上に置くだけで鼓膜と癒着して、新しい鼓膜を作ることが可能となるでしょう。
 耳鳴りに悩んでいる方は多いと思いますが、新しい改善方法は生まれるのでしょうか。もし考案されたらすばらしいことです。耳鳴りを打ち消す信号を出す装置を作ることが簡単かもしれません。これが補聴器の中に組み込まれたら良いでしょうね。
 我々は、聞こえにくいことや耳鳴りが原因で気分が滅入り、イライラすることが多いものと思います。今、巷間で話題の「脳内革命」によると、すべてプラス発想でとらえ、いつも前向きで生きていれば、脳内には体に良いホルモンが出て、健康で若さが保てるそうです。聞こえない世界にいれば他人の悪口も聞かなくてすむし、耳鳴りも慣れればモーツアルトになる、と考えて前向きに生きるのも大切と思います。我々の経験から言えば、体に良いホルモンは「気」を高めることで生まれると思います。今年はぜひ気功にも取り組まれたらいかがでしょうか。新しく生きるために。

(1997年1月)


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