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「のどが痛く、口が聞きません。4〜5日前から薬を飲んでいるのですが、ますます悪くなっています」 かぜのシーズンになるとこのように訴えてこられる患者さんが増えてきます。口を開けてもらうと扁桃に膿が付き、扁桃が大きく腫れています。扁桃炎です。この方は、扁桃の周囲も腫れています。扁桃周囲炎も生じています。扁桃の周囲に膿瘍が溜まってパンパンに腫れ上がると扁桃周囲膿瘍ですが、そこまではいっていません。 「扁桃炎で少しひどい状態になっているので治しますネ」と説明して、治療を行いました。扁桃に溜まっている膿を取り、腫れている扁桃にレーザーを当てました。適切な抗生物質と鎮痛剤を処方して治療は終わりました。 扁桃は軽いものでは漢方薬の小柴胡湯加桔梗石膏で十分に治りますが、痛みの強いものでは抗生物質や鎮痛剤で治します。しかし、私の経験ではこれだけですぐに治る人は少なく、いくらか薬を飲んでも治りにくい人もいます。また、数カ月に1度扁桃炎を繰り返す人もいます。 「なぜ抗生物質で治らないのだろう。扁桃まで薬が到達しないのだろうか」 長い間の疑問がありました。治りにくい扁桃炎は手術で扁桃を取ることになっています。 「もっと良い方法があるのではないか」 扁桃摘出術を勧めるごとに疑問も残っていました。 レーザーでアレルギー性鼻炎を治しはじめたある日、ふと思いつきました。 「鼻の粘膜にレーザーを当て、アレルギー反応を起こさせないようにできるのなら、扁桃にレーザーを当てても良いのではないか。扁桃の上の細菌が活動できなくなって治るのではないか。扁桃炎なんかレーザーですぐ治せるようになるはずだ」 それから扁桃炎の患者さんにレーザーを当ててみました。すると治るのです。今まで薬で治りにくかった人も、1回のレーザー治療で2〜3日できれいに治るようになりました。扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍でも扁桃周囲の腫れを穿刺療法で治療したあとレーザーを当てておくと早く治るようになりました。 私の友人で年に数回扁桃炎を繰り返していた人がいましたが、1度のレーザー治療で治ってしまい、その後扁桃炎を起こしていません。この治療をはじめてから扁桃摘出術を勧める患者さんは減ってしまいました。 (2000年1月)
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