くが耳鼻咽喉科(愛媛県松山市北条)

週刊 談話室

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2022年10月26日号

「今週の談話」

最近は新型コロナ感染症に罹った後コロナワクチン接種後体調を崩したといって来られる方が増えています

少し遠方より来られた方です。新型コロナ感染症に罹った後にワクチン接種を行ったところ発疹が生じ、全身倦怠感などが続いて夜も寝られないそうです。一見して、ワクチンが合わなかったと思いましたが、今となっては悪くなったものを治すことを考えなくてはなりません。

この方が一番悩んでいた痒みについて何とか治せないかと考えました。手っ取り早い方法は、今飲んでいる薬を見直すことです。コロナ感染で体質が変わり薬が合わなくなっていることがあります。そこで飲んでいる薬をみせてもらいました。その中から痒みにつながりそうなものを選んで飲むのを中止してもらいました。

新型コロナ感染症に罹った後の後遺症に悩んでいる方には、私の定番治療として上咽頭の治療体力を回復させるツボの治療を行っています。この方にも同様の治療を行いました。

その1週間後に診察に来られました。いきなり「治りました」と言って笑顔をみせてくれました。夜に眠れることもできないと言われていた痒みがすっきりと取れていました。悩みの大半を占めていた痒みが取れたため、すっかり元気になりました。

飲み薬の副作用が原因とわからず、いろいろと悩んでいる人を多く見てきました。

ある人は最近太ってきたと悩んでいました。常用している薬をみせてもらうと筋肉痛に効く芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を長期に飲んでいました。この薬は長く飲む水分を体内に貯留する副作用があるため、体重が増えることがあるのです。飲むならこむら返りなど筋肉痛があるときだけ飲むようにしなくてはなりません。これを中止してもらうとほぼ2週間で体重が元に戻りました。

めまいで来られたある方は高血圧の薬2種類、そして他にも糖尿病肝臓病などに対するくすりを合計で10種類ほど飲んでいました。めまいの検査をしてみましたが、めまいの原因がよく分かりません。薬の副作用かも知れないと思い、飲んでいる高血圧の薬一種類にしてもらいました。するとめまいはその後起こらなくなりました。

この方は、余りにも飲み薬が多かったので、念のため友人の内科医に相談しました。すると後日検査結果を教えてくれました。何と今まで掛かっていた医院が診断していた病気は軽度の高血圧症以外はありませんでした。内服薬10種類から一種類に激減しました。これで体調はすっかり良くなりました。

薬が作る病気があることは常に頭の隅においておかねばなりません。

もう終わりかと誰か言う金木犀

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