2022年11月10日号
「今週の談話」
愛媛県立美術館で空海の業績を紹介する「国宝高野山金剛峯寺展」が開かれています。知れば知るほどこのような大天才が日本にはいたのだと驚きます。優れた知的能力と精神的能力を発揮して、中国に渡り短期間の学習で密教を完全に習得して帰り、それを独自の仏教へ高め、永遠に私たちを救済しています。
四国遍路の旅は民衆の心を捉えて離しません。永遠に我々の心のよりどころとなっています。日本の一大観光名所にもなり、世界各国の人々がてくてく歩く旅を続けています。遍路旅は四国の風景の中を巡りながら空海の精神を学ぶ旅でもあり、自分を見つめなおす旅でもあります。
今のように交通の便が良くない頃は、精神と肉体を病んだ人々が過酷な旅を続け、失意の中で行倒れとなってしまう人もたくさんいました。私が住んでいる町は太山寺の近くにあり、粟井坂という難所で行倒れになる人が多かったそうです。今もその粟井坂の周辺には多くの供養塔や石碑が立っています。
持続可能な開発目標はSDGsとして知られていますが、その手本の一つが空海の開いた四国八十八か所の寺院を巡る遍路の旅です。社会で言えば戦争のない平和な江戸時代がそれにあたるでしょう。家康もまた偉大な人物であったのです。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長の新型コロナウイルス発生をめぐる一国寄りの発言は、逆に言えば反SDGsです。結局新型コロナウイルスの発生源は解明されず、うやむやにされました。健全な地球を作るための障害となってしまいました。「誰ひとり取り残さないために」という高邁な思想をもったSDGsですが、偏った国のために動く人がでてくるとその目標達成は危うくなります。

満月が地球の影に完全に隠れる皆既月食を庭から見ることができました。月に天王星が隠れる天王月食も同時に見られたそうですが、これは天体望遠鏡を持った人にしか見られないもので、単なる話題の一つでした。
柿食えば地球が月に食われる日
