2022年12月28日号
「今週の談話」
愛媛県美術館で、12月14日~18日の期間、松山市医師会美術展が開催されました。松山市医師会関係の美術愛好家がそれぞれの作品を持ち寄り展示しました。私はいつものように「小石の作品」と「写真俳句」を出しました。
他の方々の作品は油絵、水彩画、切絵、塑像、写真、書道、イラストなどの多彩な力作が揃っていました。プロ級の作品も多く、見ごたえ十分です。私の知人、患者さんも多く観に行ってくれました。妻は私の作品が小中学生レベルで、出すだけ恥ずかしい、見に来てもらうなんて気の毒だといつも言っています。しかし、私なりに努力して制作した作品ですので、県立美術館に展示されるだけでも幸せと思い、参加しています。
展示会場で毎回お会いする医師から「この俳句はどう解釈するのですか」と聞かれ、俳句の説明をしました。本来俳句の解釈は読者が自由にするものだと言われていますが、「どういう意味なの」と俳句の解釈を聞きたくなるのが人情です。そこで今回はその俳句の説明を書いてみました。
《小石の作品》
毎回2テーマ提出しています。1テーマに2~3作品を作りました。
今回は「アカショウビン」と「かわうそ」(獺祭だっさい)です。
そのほかに賑わいとして過去の作品も並べています。
「アカショウビン」は主に沖縄地方に生息していますが、時々高縄山系でも見られています。日本でよく見られるカワセミ類はこのアカショウビンのほかにカワセミ、ヤマセミの3種類で、アカショウビンだけが渡り鳥です。
日本では夏鳥として渡来し、北海道から沖縄までほぼ全国で繁殖しますが、渡来数は少ない。主な繁殖地は西表島周辺です。冬は東南アジアへ渡って越冬します。
今回は親子のアカショウビンを作りました。
「かわうそ」の仲間の日本かわうそは日本では絶滅しています。その動き、しぐさが可愛く、動物園の人気者です。作品を作っているとだんだんお地蔵様に似てきました。表情のことなる3種類のかわうそを作りました。
《写真俳句》
私はおもしろい俳句が好きです。また生命の躍動とか宇宙の神秘とかを俳句に詠み込めればと思っています。俳句は子規以来の伝統俳句である写生俳句が主流ですが、その考えも最近は大きく変化しています。わたしは写生俳句にこだわりはもっていません。俳句と写真は比較するものではありませんが、私は写真を俳句的に撮りたいと思っています。
この写真は日々の生活の中で主に私の庭で撮ったものです。それぞれの写真の中にそれぞれの俳句のイメージを重ねてみました。
ペンギンは「ふ」の字のかたち日脚伸ぶ ペンギンの手足の動きが「ふ」の形をしていることを発見しました。
これでええんかええんやななめくじり 大地真央さんのCMがヒントになりました。進化を止めたようななめくじと
草食系男子の姿を重ねました。真っ白の夏野忌野清志郎 皿が峰の中腹にある竜神平で休んでいると夏草(葛)が風に翻り真っ白に見えました。真っ白のステージには忌野清志郎がぴったりです。
まだ続く応仁の乱むつごろう ムツゴロウの生息する遠浅海岸はまるで荒廃した戦争地のようです。
ムツゴロウは隠れながら戦う兵士に見えます。 平和に見える日本では今も眼に見えぬ戦いに人々は明け暮れています。かき氷食べたでしょう 舌赤い 隠しても証拠は残るものです。
教室の百の目玉と鬼やんま 静まった教室におにやんまが迷い込み百の目玉に追い出されました。
いくつもの星は流れて焼肉のたれ 焼き肉のたれを見ていると流星が浮かんできました。
いい人にいい人のいてすいっちょん 恋とはうまくいかないものです。
たいていは自分が好きな人は、別の人が好きだったりして。どんぐりはくるりくるくるウルトラマン 団栗が転がってきました。それはウルトラマンでした。
嘘ついてみんな幸せクリスマス ついていい嘘、ついてはいけない嘘。
サンタさんはお父さんお母さんです。恋人かも知れません。今年は色々とありがとうございました。
来年も皆様のご健康をお祈りいたします。
これからもよろしくお願いいたします。
